どうも、kuです。
7月9日の沖ノ島が世界遺産に登録されました。
今回は世界遺産登録の中間発表のようなもので登録は難しいと勧告されていたのに晴れて世界遺産登録という嬉しい結果に。
ではなぜ、登録できそうになかったのに世界遺産に登録されたのか。
ユネスコの評価基準はどういうものなのか。
その辺が気になったので調べて考察していきたいと思います。
目次
世界遺産登録の評価基準
公益社団法人日本ユネスコ協会連盟のホームページによると、
世界遺産の登録基準
「世界遺産条約履行のための作業指針」で示されている下記の登録基準のいずれか1つ以上に合致するとともに、真実性(オーセンティシティ)や完全性(インテグリティ)の条件を満たし、締約国の国内法によって、適切な保護管理体制がとられていることが必要
(i) 人間の創造的才能を表す傑作である。 (ii) 建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値感の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すものである。 (iii) 現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である。 (iv) 歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。 (v) あるひとつの文化(または複数の文化)を特徴づけるような伝統的居住形態若しくは陸上・海上の土地利用形態を代表する顕著な見本である。又は、人類と環境とのふれあいを代表する顕著な見本である(特に不可逆的な変化によりその存続が危ぶまれているもの (vi) 顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある(この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。 (vii) 最上級の自然現象、又は、類まれな自然美・美的価値を有する地域を包含する。 (viii) 生命進化の記録や、地形形成における重要な進行中の地質学的過程、あるいは重要な地形学的又は自然地理学的特徴といった、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な見本である。 (ix) 陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化、発展において、重要な進行中の生態学的過程又は生物学的過程を代表する顕著な見本である。 (x) 学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する。
長くてよくわかんないですよね笑。
簡単に説明すると
ⅰ 人類の傑作かどうか。
ⅱ 歴史的文化の交流を示しているものか。
ⅲ 唯一無二の存在か(少なくとも希少)。
ⅳ 歴史を物語る優れた建物や景観を示しているか。
ⅴ 人類と土地や海の交流や利用を示しているか。
ⅵ 宗教や伝統などと関連はあるか。
ⅶ 自然現象として美しいか。
ⅷ 地形変化の歴史的背景。
ⅸ 生命進化の過程が表現されている。
ⅹ 絶滅危惧種かどうか。
どれか一つ以上ががあてはまっていれば審査対象になるという。
広島の原爆ドームはⅳの「歴史を物語る景観」を表しているので世界遺産に登録されているという感じですね。
今回の沖ノ島はⅵ(宗教や信仰との関連)やⅳ(歴史的背景を表しているか)などがあてはまるんじゃないでしょうか。
じゃあなぜ、ユネスコの諮問機関による中間発表で評価が悪かったのか。
それは、沖ノ島とその他八つの構成資産のうち四つの構成資産は認められたものの残りの四つは関連性が薄いということでした。
にもかかわらず、今回は世界遺産認定という結果になった。
その理由を前例があるのでその辺から考察していきたいと思います。
沖ノ島、世界遺産登録の理由は?
全部は世界遺産に認められないとされていたのに沖ノ島が世界遺産に登録できた理由は地元や国の応援があったから。
世界遺産は7月にポーランドのクラフクで開催されるユネスコの世界遺産委員会で世界遺産に登録するかどうかは決める事になる。
この会議で沖ノ島とその構成資産の関連性を強く説明し、熱意ある説得によりその日の会議では各国より「関連する構成資産は深く結びつきがあり、登録に値する」という声が多数上がり世界遺産に登録されたという。
2007年にも「石見銀山遺跡とその文化的景観」が登録延期を勧告されながら審議の場で覆ることになった。
そこでも重要だったのは指摘された内容に対して熱心に説明し納得させたという背景がある。
国や地元の人、周囲の人の応援があったので今回の沖ノ島と関連遺産群が世界遺産に登録できたのだと思います。
結局、人を動かすのは人ですね。
まとめ
世界遺産の評価基準や沖ノ島が逆転した理由がわかっていただけたでしょうか。
これで日本にある世界遺産は文化遺産が17件、自然遺産が4件で、合わせて21件になります。
これからも歴史的に価値のある将来に語り継ぐべき遺産は人類みんなで守っていけるといいですね。